事件・事故や災害の生々しい現場、季節感あふれる風景写真、勝負の一瞬をとらえたスポーツ写真など、新聞紙面には印象的な写真がたくさん掲載されています。
新聞社には、写真部という報道写真を撮影するプロカメラマン集団があります。でも、写真部以外の記者もみな、撮影には力を入れています。記者にとって仕事の核心は「時代の目撃者として、目の前のニュースを伝えること」なので、写真はそのための重要なツールです。記者は新人時代から「つねにカメラを持ち歩け」と言われ、それが習慣になっています。事件・事故が発生したときは現場に向かい、シャッターを切って編集部にすばやく写真を送信することが基本動作です。大きな事件・事故、災害の場合は、ヘリコプターや航空機で上空から撮影します。現場が一目で分かり、大きな威力を発揮します。
一方、スマートホンを含め、カメラを持ち歩く人が飛躍的に増えた現在では、だれかが決定的な瞬間を撮影していることがたくさんあります。
新聞写真を撮るために重要なことは、まずは「一刻も早く現場に到着すること」。早ければ早いほど、生々しい現場が残っている可能性が高くなります。そして「マナーを守り、人権に配慮すること」。新聞記者やカメラマンに特権はなく、社会人としてのマナーは当然守らなければなりません。事件・事故の発生直後などには「メディアスクラム(集団的な過熱取材)」にも最大限に配慮しなければなりません。遺族らの取材では、取材される側の気持ちを理解しながら撮影をしなければなりません。講演会や音楽会、舞台などの取材でもシャッター音やストロボの光など、その場に応じた配慮が必要です。
みなさんがもし事件・事故の現場に遭遇し、その写真を撮ったとしたらぜひ新聞社に連絡していただけませんか。決定的な瞬間であれば紙面に大きく掲載されるかも知れません。こうした