新聞読み方講座
第9回選挙報道
12月15日付の選挙紙面
12月15日付の選挙紙面

2014年12月の衆院選。みなさんは投票に行きましたか。今回の選挙、投票率はかなり低く高知県では約50%。全国平均では約52%。選挙は民主主義の基本といえます。私たちの代表として国会(議会)で議論する人を選ぶものです。今後も関心を持ってもらいたいと思います。

さて、選挙の投開票日。有権者の投票が終了する午後8時に、テレビ各社が競って当選者の予想人数をドン、と報じます。投票が終わったばかりで、開票作業も始まっていないころです。なぜこんなに早く示せるのでしょうか。

この当選者の予想数には、もちろん根拠があります。それは、①選挙期間中の各陣営や関係団体などへの取材 ②世論や情勢調査 ③期日前投票や当日に投票を済ませた人の調査(出口調査)などです。これらを総合して、小選挙区ではどの候補が勝つのか比例代表ではどの党が議席を取るのかを判断します。そして、全国で投票が全て終わる午後8時に獲得議席の予想を出すのです。
 「出口調査」という言葉は、聞いたことありますね。投票所で投票を終えた人たちに、どの候補者や政党に投票したのかをアンケートします。これは重要なデータとなり、当選や落選を判断する材料になります。

投開票日の夜、テレビ各局は小選挙区の開票結果を次々に伝え、当選者数も確定していきます。画面では、当選者がバンザイしている光景が繰り返されます。新聞各社は各テレビ局と提携しているので、それぞれの系列テレビ局と協力しながら報道しています。

朝日新聞では、ふだんの原稿の締め切り時間をさらに遅くしてできるだけたくさんの選挙情報を入れるように務めています。選挙の結果や意義を編集局で十分に議論した上で、大きな見出しで的確に伝えます新しい国会の勢力図なども、カラーグラフや表で分かりやすく示しています

投開票日の新聞作りは、できるだけ新しい選挙情報を入れるために、印刷開始時刻も通常よりかなり遅く設定します。それでも、きちんと読者のみなさんのお宅に届けられるように、新聞を配送するトラックの台数を増やすなどの特別な輸送体制をとって対応しています。

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